単純承認・限定承認・相続放棄
・単純承認
積極財産(不動産や預金)も消極財産(借金やローン等の債務)も含めた、全ての財産を相続することです。
死亡した被相続人の遺した、相続人には一切関係のない債務であっても、相続人は返済する義務を負うこととなります。
積極財産の方が多い場合に推奨される相続方法です。
・限定承認
積極財産よりも消極財産の方が多い場合には、こちらを推奨します。
この方法は、相続によって得た積極財産の範囲内で債務の返済を行うというものです。債務の方が財産より多くても、相続人自身の財産から債務の返済をする必要はありません。
・相続放棄
一切の財産(積極財産や消極財産)を相続しないことです。元から相続人ではなかったとみなされ、相続人からは除外されます。よって、相続放棄をした人以外の残った相続人で、財産を配分していくことになります。
また、相続放棄をすると、代襲相続(本来相続人となる人物が、被相続人の死亡する以前に亡くなっているときに、その本来の相続人の直系卑属である子や孫が相続人となること)も行えなくなります。
<相続放棄に必要な書類>
相続放棄の申述書・被相続人の戸籍謄本・被相続人の除籍謄本・住民票の除票・申述人の戸籍謄本(各1通ずつ)
<相続放棄にかかる費用>
郵便切手代・収入印紙800円(申述人1人につき必要な額)
限定承認と相続放棄を選択した場合については、相続があったことを知った日から何も手続きをせずに3か月放置すると単純承認として処理されるため、注意が必要です。3か月以内に家庭裁判所に届け出るか、又は家庭裁判所に3か月の期間を伸長するよう申し出ることが求められます。