オーバーステイをするとどうなるか
日本で生活する外国人は、在留資格を取得したうえで、その資格の目的の範囲内(出入国管理及び難民認定法(以下「法」)19条)で活動を行います。この在留資格には有効期限があり、在留資格の更新をしないまま期限が満了し、日本に滞在していることを、オーバーステイ(不法滞在)といいます。
オーバーステイのような退去強制事由(入管法24条各号参照)にあたる疑いのある外国人に対して、まずは入国警備官が違反調査を行います。入国警備官が容疑者を収容したときには、身体を拘束した時から48時間以内に、容疑者を入国審査官に引渡し(法44条)をします。
入国警備官から引渡しをうけた入国審査官は、容疑者が退去強制自由に該当している人であるかを審査します。退去強制対象者にあたり、容疑者がその事実を認めた場合には、退去強制令状が発付され、外国人は退去強制されることとなります。なお、容疑者が入国審査官の認定を誤っていると主張したい場合や、日本での在留を特別に認めてほしい場合には、第2段階として口頭審理(法48条)を請求することとなります。
現在は、オーバーステイの削減のために、平成16年の入管法改正から、自主的な出頭を促進する出国命令制度(法24条の3及び55条の2から55条の6)が創設されました。
出国命令制度の対象者は、
① 出国の意思をもって自ら入国管理官署に出頭したこと
② 過去に退去強制や出国命令を受けて出国したことがないこと
③ 刑法等の一定の罪により懲役又は禁錮にしょせられた人でないこと
④ オーバーステイ以外の退去強制事由に該当しないこと
⑤ 速やかに本邦から出国することが確実だと思われること
のすべてを満たしている必要があります。
このような厳しい要件を満たさないと出国命令制度を利用することはできませんが、その反面、出国命令により出国した人は、出国した日から1年間経つと再び日本へと入国することができるようになります。退去強制された人は、5年間入国することができないことを考えると、この制度は身柄を拘束されないことと再入国までの期間において、メリットがあると言えるでしょう。
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