外国人労働者の雇用保険
■雇用保険について
雇用保険とは、労働者が失業した際に必要な給付を行って労働者の生活や雇用の安定を図ること、そして、再就職への援助を行うこと等を目的として設けられた制度です。そのため、事業主は、雇用保険への加入要件を満たした労働者についてハローワークに届出を行い、雇用保険被保険者として雇用保険に加入させる必要があります。ここでは、外国人の雇用保険加入における要件や手続きについて確認していきましょう。
●外国人労働者の雇用保険の加入要件
外国人労働者を雇う際に、雇用保険に加入するか否かはどのように判断すれば良いのでしょうか。厚生労働省によれば、雇用保険の加入要件は以下の通りとなっています。
・雇用保険の適用事業所に雇用される労働者(国籍は関係ないため、外国人もこれにあたる)であり、以下の要件に該当すること
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上の雇用見込みがあること
これらの要件に該当している場合には、パートやアルバイトといった雇用形態は関係なく雇用保険に加入する必要があります。また、事業主や労働者の加入希望の有無も関係ありません。以上に当てはまれば、外国人労働者も、雇用保険に加入する義務のある雇用保険被保険者ということになります。
●外国人労働者の雇用保険加入手続き
外国人労働者の雇用保険加入手続きは、日本人労働者の手続きとどの点で異なるのでしょうか。結論からいえば、基本的には日本人と外国人とで手続きは変わりません。しかし、外国人労働者の場合には、届出の際に①外国人雇用状況の届出②在留カード番号の届出を行う必要があります。以下、①②について詳しく見ていきます。
①外国人雇用状況届出
厚生労働省によれば、事業主は、外国人(特別永住者を除く)の雇入れと離職の際に外国人の氏名・在留資格等を確認し、ハローワークに届け出る必要があります。なお、在留資格が「外交」「公用」の場合には届出の対象外となります。もし、外国人であることが通常確認できるような場合に届出を怠れば、事業主は指導・勧告の対象となるほか、罰金を科せられることもあります。
②在留カード番号届出
雇用保険に加入する外国人労働者の場合、在留カード番号の届出は、雇用保険被保険者資格取得届において、令和2年3月から記載欄が設けられていますので、そこへの記入によって適式になされることになります。
以上のような書類の提出によって、外国人の雇用保険加入手続きが進められることになります。書類の正確性の担保は事業主の責任となっていますので、資格や在留期限等については、各書類の提出前に事業主が責任を持って確認する必要があります。
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