パワハラ(パワーハラスメント)
■パワハラとは
パワハラとは、パワーハラスメントの略称であり、近年において特に職場でのトラブルとして問題視されています。従来は、上司や先輩からの指導にすぎないとしてあまり問題には取り上げられてきませんでしたが、職場での立場を利用した、度が過ぎる発言や態度はパワハラとして違法性を帯びることもあります。
例えば、職場の上司が部下に向かって、必要以上に攻撃的な口調で指導を行ったり、教育だからといって威圧的な態度や間接的に暴力となるような行為を行うことがパワハラにあたります。パワハラは労働者の人格否定にもつながるものであり、これにより労働者が退職や解雇に追い込まれることもあります。そのため、未然に防ぐための体制づくりや組織内での周知も不可欠となります。そこで、コンプライアンスすなわち法令遵守に関して、企業内での体制を強化していくための取り組みについて、考えていきます。
●パワハラ防止とコンプライアンス
先ほど確認した通り、パワハラを防止するための対策も必要となる一方、組織内のコンプライアンス体制を整えることも必要となってきます。まずは、パワハラ防止対策について確認していきます。
・パワハラ防止対策
パワーハラスメントが起きれば、加害者は暴行罪や名誉棄損罪といった刑事責任を問われる可能性が考えられるほか、不法行為に基づく損害賠償請求や、慰謝料請求といった民事上の責任追及のおそれもあります。それに加え、放置していた企業側にも損害賠償請求ないし慰謝料請求といった民事責任を問われる可能性があります。
このような事態を未然に防ぐため、厚生労働省は企業側ないし事業主等が講ずべき措置として、いくつかのものを挙げていますので、まとめて確認します。まずは、パワハラに対する方針を明確にすること、そして方針の周知に努め、啓発を図ることが挙げられています。また、相談窓口を設置する等、相談に応じて適切に対応するために必要となる体制及び設備の構築も要請しています。さらに、パワハラが発覚した後に、当事者へのヒアリング等を迅速かつ適切に行えるよう、体制を整えておくことも必要とされています。
・コンプライアンス体制の強化
コンプライアンスとは、単に法令を遵守するというだけにとどまらず、企業内の規則や社会的な倫理規範を遵守するという意味も含まれています。すなわち、職場内で行われていることが社会的な倫理観や行為規範に反している場合、それを放置するのではなく、社内改善していくための体制を強化することが重要となるのです。つまり、パワハラを防止するという点に限らず、不適切な業務全般において、コンプライアンスの意識を高めることが大切となってきます。
コンプライアンス体制の構築に向けては、企業内部から一線を画した外部的立場から、弁護士がアドバイスさせていただくことも有効な手段です。
けんめい総合法律事務所では、パワーハラスメント等の人事・労務問題に関するご相談を幅広く承っております。豊富な経験と知識を持った弁護士が、ご相談者様のお悩みに一生懸命に向き合い、賢明な解決策をご提案いたします。
パワーハラスメントに限らず、企業法務についてお困りの際は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。