ハラスメントとは
職場におけるいじめや嫌がらせをハラスメントといいます。ハラスメントには、性的言動によるセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)、妊娠・出産に関わるマタニティ・ハラスメント(マタハラ)、職務上の地位・権限を濫用して行うパワー・ハラスメント(パワハラ)などいくつかの形態があります。
他の分類方法として、性的要求を拒否したことにより給与を減額するなど雇用上の不利益を与えるような対価型のハラスメント、また人格攻撃などで職場環境を悪化させ、本人を追い詰めていくような環境型
ハラスメントの2つに大きく分けることもできます。
ハラスメントは例えば以下のような例があります。
・上司たる地位を利用して性的関係を迫る、拒否したことを理由に左遷させる
・卑猥な言葉をかける
・異性関係の噂を流し職場にいづらくする
・「おまえは馬鹿」など侮辱的な叱責・メールを送る
・上司の立場を利用して無理やり焼酎を一気飲みさせる
・部下に対して業務に関係ない使い走りを日常的に行う
ハラスメントに関する相談や労働紛争は近年増加傾向にあり、被害を受けた場合の対処はもちろん、ハラスメントを未然に防止する対策も重要といえます。
ハラスメントを受けた場合、法的には、不法行為責任や債務不履行責任を問い損害賠償請求をすることや、また暴力やわいせつ行為があった場合には刑事上の責任を問うことができます。
では、ハラスメントに関して企業にはどのような義務があるでしょうか。
まずは、男女雇用機械均等法では、事業主にハラスメント防止措置をとる義務が課されています。具体的には、セクハラ防止の周知・啓発を図ることや、相談に応じる体制の整備、被害者への事後対応などです。
さらに、育児介護休業法等では、妊娠・出産・介護休業等の取得による嫌がらせ(いわゆるマタハラ・パタハラ・ケアハラ)を防止するための措置を講じることが定められています。さらに2019年には、労働施策総合推進法改正によって、職場のパワー・ハラスメントについて定義したうえ、これを防止するための措置が義務付けられました。
企業が、このような義務に違反した結果、労働者がハラスメント被害に遭ってしまった場合には、企業に対しても損害賠償請求をすることができることもあります。
けんめい総合法律事務所は、ハラスメントに関する様々な相談・サポートを承っております。
ハラスメント被害でお悩みの方や、ハラスメント対策をお考えの企業は、けんめい総合法律事務所までご相談ください。